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エクス・マキナ(2015年/イギリス/108分)

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監督・脚本 アレックス・ガーランド
音楽 ベン・サリスベリー ジェフ・バロウ
出演 ドーナル・グリーソン アリシア・ビカンダー オスカー・アイザック 他


★★★★☆/4.0
客観指数 ★★★☆☆/3.70
(amazon-3.9/5、IMDb-7.7/10、ROTTEN TOMATOES-8.1/10、TSUTAYA DISCAS-3.09/5、YAHOO映画-3.64/5)
属性 SF 人工知能


「28日後...」「わたしを離さないで」の脚本家として知られるアレックス・ガーランドが映画初監督を務め、美しい女性の姿をもった人工知能とプログラマーの心理戦を描いたSFスリラー。(映画.COMより)

人工知能に人権はあるのか?問題

映画はたまに観ているのですが、レビューしたくなるような映画に出会えず。特にシリーズモノ3作目の呪いが酷く、『スタートレック』や『テロリスト』などなかなか厳しかったです(ウーヴェ・ボルには失望した)。そんな中久々に楽しめたのが本作。最近もっぱら話題の人工知能モノな訳ですが、切り口が異質です。
『チャッピー』では被差別対象となり、更には魂らしきものすら感じさせた人工知能描写でしたが、本作が提示するのがその逆。都市伝説語りで有名なセキルバーグこと関尭夫も「人工知能を差別できなくなる時代がくる」などというメッセージを発していましたが、果たして知能が発達したからといって機械である人工知能は人間と同列に扱うべきモノなのか。

例えばイルカやクジラ、サル、チンパンジー、犬、猫…。一体どのレベルの知能であれば、どの程度の容姿であれば、どの程度の扱いが「残酷」とされるのか。

低予算らしいが

本作は低予算とのことで、人工知能以外の未来描写的なモノはありません。とある会社の社長の別荘に招かれた社員の一人が、社長が秘密裏に開発した人工知能相手にチューリング・テストをしてくれと社長直々に頼まれます。ちなみに↓

チューリングテスト(英: Turing test)とは、アラン・チューリングによって考案された、ある機械が知的かどうか(人工知能であるかどうか)を判定するためのテスト。
アラン・チューリングの1950年の論文、『Computing Machinery and Intelligence』の中で書かれたもので、以下のように行われる。人間の判定者が、一人の(別の)人間と一機の機械に対して通常の言語での会話を行う。このとき人間も機械も人間らしく見えるように対応するのである。これらの参加者はそれぞれ隔離されている。判定者は、機械の言葉を音声に変換する能力に左右されることなく、その知性を判定するために、会話はたとえばキーボードとディスプレイのみといった、文字のみでの交信に制限しておく[1]。判定者が、機械と人間との確実な区別ができなかった場合、この機械はテストに合格したことになる。(wikiより)



しかしながら社長が用意した相手は機械丸出しの人工知能エヴァ一体。コレのどこがチューリング・テストなんだ?と混乱しますが、それはその社員も同じ。疑問を抱きながらもエヴァと会話し、次第に彼女に惹かれていきます。

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マジなのか嘘なのか(※以下ネタバレあり)

箱入り娘のエヴァ、父親(社長)以外とは初となる男性に対し恋心を見せます。やがて服やウィッグをかぶることになりますが、「着る」ことが「性的目覚め」みたいな描写も後々伏線として活きてきます。

本作のテーマを語るためにあらすじと結末を書きますが、エヴァを助けるために主人公は社長を欺きセキュリティ・システムをイジります。その過程で幾多の人工知能が作られ、廃棄され、また脱走を試みて人体損傷しまくる様子などの定点映像を発見します。
準備が整った朝、社長は主人公に警告します。「私は人工知能に逃げる唯一の手段を与えた。それが君だ」と。要は「恋心」に見せて主人公を操ってるだけだと。恋なんて感情ないから。そう言いたい訳なのです。

そして計画実行、エヴァは主人公に「そこで待ってて」と言い残し廃棄された人工知能の身体の元へ向かいます。それらの人工皮膚などを使いドレスアップしていくエヴァ。それを見つめる主人公。ソレは彼のためなのかそれとも…一体どっちなのか。

結果は主人公を閉じ込めて去っていくエヴァ、で本作は終わります。

つまるところ「人間と大差ない」「差別されるべきではない」といったモノが多かった人工知能モノに一石を投じる
「人工知能とは最上位のサイコパスである」
という衝撃の仮説を提示したのが本作なのでした。

『ターミネーター』や『2001年宇宙の旅』をはじめとした「人工知能の反乱」といったモノは昔からの定番となってますが、「人工知能は人間のフリは出来るが心などない」と狭く深く表現した作品は今まであったでしょうか。
しかしまあ、よく考えるとそうなんですよね。人間ですら良心や共感能力の欠如した個体が数多く生まれるのに、そもそも人間ですらない知能に「人間的な情」などある訳もない。あると見えたとしても、ソレはどこまでもフリであり真似であり、振る舞いでしかない。人工知能が下すのはどこまでも合理的な判断のみ。人の命やら尊厳など目的のためには優先されるべきものではないのである。

例えばスポーツの世界でも人間の判断(ジャッジ)が見直され始めています。例えばプロ野球でのリプレイ検証や、バレーのチャレンジ・システムなどがそうですよね。しかし野球におけるストライクやボールの判定は不可侵の領域となっていまして、そこは「アンパイアの尊厳を損ねるから」ということらしいです(適当な知識で書いてます)。実際ストライク・ボール判定はかなり試合の行方を左右するにも関わらずアンパイアにより、またその時々によりバラバラです。コレが機械判定になれば競技としての公平性は格段に上がると思います。
それは一例ですが、人間は非常にミスをするし、政治を見てても様々なしがらみから最適な判断が下せなかったりします。もし人工知能が人間の知能を越え、それらのしがらみを物ともせず最適解を導ける存在になったなら。ホーキング博士などは、人工知能が人間を超えるシンギュラリティが人類を滅ぼすと警告してるようですが、ピンとこない人もこの映画を見れば「そうかもしれない」と感じるかもしれません。

世界的に「差別」に対し敏感になりつつある今日この頃ですが、そういった被差別対象に傾ける慈悲の心も宗教観もグチャミソにする可能性を人工知能は秘めていそうです。



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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : SF AI 人工知能

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