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プリデスティネーション(2014年/オーストラリア/97分)

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監督・脚本 マイケル・スピエリッグ ピーター・スピエリッグ  
音楽 ピーター・スピエリッグ
出演 イーサン・ホーク サラ・スヌーク ノア・テイラー 他


ベースメント指数 ★★★☆☆/3.53
客観指数 ★★★☆☆/3.61
(amazon-4.1/5、IMDb-7.4/10、ROTTEN TOMATOES-6.8/10、TSUTAYA DISCAS-3.13/5、YAHOO映画-3.74/5)
属性 SF
<評価高め。>


SF小説の大家ロバート・A・ハインラインによる短編小説「輪廻の蛇」を、イーサン・ホーク主演で映画化。時間と場所を自在に移動できる政府のエージェントが、凶悪な連続爆弾魔を追うためタイムトラベルを繰り返す姿を描いたSFサスペンス。監督は「デイブレイカー」でもホークとタッグを組んだピーター&マイケル・スピエリッグ兄弟。(映画.COMより)

卵が先か鶏が先か×親殺しのパラドックス

この世に最初に誕生したのは鶏なのか、それとも卵か。鶏がいなきゃ卵は産めないし、その鶏も元をたどれば卵から生まれたハズ、という問答です。作中、登場人物もコレを多用し、その辺のパラドックスがひとつの軸になってるタイムマシン・SFモノです。
更に言わせてもらえば「過去に戻って親を殺せば、親を殺す自分も存在しなくなるから、そもそも殺せない」というタイム・パラドックスもかかってる気がします。この手の作品は深く考えると訳ワカメになってきますが、深く考えずともカタルシスを得られる作品であるということも評価されてる要因のひとつだと思いますね。『プライマー』とか酷かったですからね(笑)。

大体のあらすじ

1970年、ニューヨーク。ある流れ者によって不遇の道を歩まされたという青年の身の上話を聞いた酒場のバーテンダーは、自分が未来からやってきた時空警察のエージェントであることを明かす。青年の人生を狂わせた流れ者への復讐のチャンスを与えるため、バーテンダーは1963年にタイムスリップし、当時の青年をエージェントに勧誘するが……。(映画.COMより)

基本、内容について語るにはネタバレ必至になってくる作品なので、次の見出しからはネタバレになります。

以下ネタバレ/感想及び考察

詰るところ、登場人物大体自分でした、という。ある種息の詰まるようなミニマムなオチであると同時に、それを気付かせずスケール感のある展開で見せたところは凄いな、という感想です。本当はガッツリ考察したいところですが、そこまで好きな作品でもないですし、軽~く考察。

まず、タイム・トラベルに関して考える際に外せない基本原則があります。それが、パラレル・ワールドという概念。過去を変えた際、その未来は今の自分に繋がるのか、それとも別の並行世界として続いていくのか。パラレル・ワールドを許した場合、この世には無数の並行世界が存在することになり、タイム・トラベルで元の世界に戻ることすら困難じゃないか、という気がします。

で、本作ですが、基本的には同じ時間軸内を行き来してるように見えます。その結果として、少しずつ自分の過去を改ざんすることにより全て自分で完結するエージェントを作り得たと思うのです。しかし、そう考えるとラストにて疑問が生じます。「ここで爆弾魔である自分を殺すことで、以降の惨劇は未然に阻止される。つまりは今までの爆弾魔とのひと悶着も無かったことになる。」ということ。しかし、ですね。そもそもこういう改ざんを繰り返さなければ自分が自分とセックスして生まれた自分を自分が誘拐して…などという芸当は不可能な訳です。つまりは、パラレル・ワールドの存在しないこの世界では、あの瞬間過去も全て改ざんされたことになります。つまり、爆弾魔により顔が変わることもなければ、性転換した自分とバーテンダーにより出会わされることもない。そもそも孤児院で育つことすらない。あの瞬間、エージェントとしての輪廻から逸脱した、というラストなのではないでしょうか。

とはいえ、もうひとつの疑問が。ならば、自分を撃ち殺した瞬間イーサン・ホークの顔面は女性に変わるべきではないか?ということ。それが無いということは、もしかするとこの世界にはパラレル・ワールドが存在し、主人公はエージェントの仕事を終えるとニューヨークで爆死する、ということなのか(最後ホークが戻る世界は1975年1月、爆破事件は1975年3月)。爆死するならば、その爆弾魔は存在しないのでは?と感じますが、その爆弾魔が、この爆弾魔を殺したイーサン・ホークなのかもしれません。
輪廻を脱したつもりが、脱したのは過去の自分であり、ここにいる自分ではない。しかもココで自分は爆死するハズだったのに生き永らえてしまった。使えなくなるハズのタイムマシンは使える…。フツフツとタイム・トラベルによる世直しなど考えてもおかしくはありません。その副作用でまともな精神状態でなくなるとしたら。

と、いうよりは、やはり爆弾魔を殺しても爆弾魔により作り出された自分が消えない=今の自分が殺した爆弾魔に代わり爆弾魔になるということなのでしょう。つまりは、爆弾魔を殺すことと自分が爆弾魔になることまで含めてひとつのパッケージ=輪廻なのでは。そう考えると、爆弾魔を殺した直後にせっせと爆弾を作り始めるのか、はたまた時間経過した後に過去に戻りニューヨークを爆破するのかは分かりませんが、いずれにせよ頭オカシイですね、この人(笑)。

まあパラレル・ワールドを認めてしまうと、この映画で描かれたのは『無数にある内のひとつの世界』とも言え、なんとも収拾がつかなくなってきます。なので、『この世界にはパラレル・ワールドは存在せず、殺してしまった爆弾魔により起こるハズだった惨劇及び自分というものは今後自分自身で補填する』と考えるのが整合性が取れてます。勝ったように見えて勝ってないよ、っていう。
ただ言えるのが、こういった考察の余地を残す映画ってやっぱ知的に作られてると思うしスゲーな、ってこと。




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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : SF

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