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ゆきゆきて、神軍(1987年/日本/122分)

yukiyukite.jpg
監督 原一男
出演 奥崎謙三 奥崎シズミ 他


ベースメント指数 ★★★★★/5.00
客観指数 ★★★★☆/4.06
(amazon-4.3/5、IMDb-8.2/10、ROTTEN TOMATOES-8.1/10、TSUTAYA DISCAS-3.62/5、YAHOO映画-4.23/5)
属性 ドキュメンタリー
<客観指数初の4点台。>


「戦争責任を取っていない」と天皇にパチンコを打ち、殺人歴もある奥崎謙三が、戦時中所属していた分隊で起こった上官による部下銃殺事件の真相を当事者に追求していくドキュメンタリー。マイケル・ムーアは「生涯観た映画の中でも最高のドキュメンタリーだ」と語っている。

奥崎謙三という男

その評価は耳にしながらもなかなか「見たい気分」にはなりづらい類の映画なのですが、とんでもない内容でした。
カメラが追うのは奥崎謙三という人物。「人間の作った法ではなく天の法に従うべき」と持論を展開、「田中角栄を殺すために記す」とでかでか書いた看板を載せた車を乗り回し、警察に止められれば「貴様ら自分の裁量で何が出来るか。上に従ってるだけだろう。悔しければ殴ってみろ」と焚き付ける。
彼の恐ろしいところは殺人歴があることですね(戦時中ではなく)。現代人が戦争反対と言うのとは訳が違う。この殺人については「殺したくなかった人間を殺さなければならなかったのは、戦争という地獄を経験しながら人並みの生活を送ろうとしたせいだ。(天からの罰である)」という旨の発言をしています。その辺の思考回路はラストに集約されてます。この人はマジで「人の作った法」を守る気などないのです。

嘘と言い逃れから見える本当らしさ

序盤はそんな奥崎の日常を映します。以降は上官による部下銃殺事件があった、という話を聞きつけた奥崎がかつての軍曹や衛生兵等を遺族と共に訪問します。
最初こそ物腰低く丁寧に話を進める奥崎ですが、彼が追求するのは何十年も前の消し去りたい記憶ですので、皆口をつぐみます。しかし「帰ってくれ」というような態度を見せれば奥崎は迷わず襲いかかり、馬乗りになって殴り始めます。この辺は多少作られたキャラクターなのでは、との話もありますが、いずれにしろこの暴力抜きに彼等の口を割ることは出来なかったでしょう。

そしてその口の堅さ、複数人の証言が全く一致しないという「嘘」の露呈。それらが逆に「ああ、本当にあったことであり、しかも絶対に口外出来ないようなことだったのだろうな」と感じさせます。遺族はある結論に至り、確信します。そしてそれ以降ロケには同行せず。奥崎は替え玉を用意して同様のやり方で真相究明に奔走します。

戦時中の食人

戦争については、もはや「真相は闇の中」といった感じにそれぞれの国が都合のいい歴史を作り出します。マズイ事は封印し、その功績を主張します。そして敗戦国は被害者意識を強めていく訳ですが、しかし戦争に負けた側も残虐行為を行っていないことにはならない。日本もまたしかり。
奥崎が問い詰めた元日本兵の口から語られたのは、黒人を「黒豚」、白人を「白豚」と呼び食していた、という事。この呼び方からしてそれが一回や二回ではないことが窺えます。彼等は「戦争がどうとかは関係なく生き残ることに必死だった」とも言っています。
そして上官による部下銃殺事件に関しての遺族の見解は、「下等兵を適当な罪状で処刑し食べていたのではないか」とのこと。これは衝撃的な結論でした。しかし、実際のところは分かりません。あくまで遺族が元日本兵の証言や態度から推察した結論なのです。

戦争に対する賛否については、僕はあまりに無知なので言及できませんが、どれだけおぞましいことなのかという一端を知るという意味で、最強の反戦映画に属すると思います。一回観ておくべき映画ですね。



         
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テーマ : 映画感想
ジャンル : 映画

tag : 邦画 ドキュメンタリー

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僕のオススメ度と、アマゾン、ロッテン・トマト、IMDB、ヤフー映画、ツタヤディスカスなどの主要映画レビューサイトの点数を独自に平均したものを<客観指数>として表示しています。
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